「インドのマック=カレー味」という都市伝説を追って
世界中どこにでもあるマクドナルド。しかし、宗教上の理由で「牛肉(ビーフ)」も「豚肉(ポーク)」も提供が難しいインドのマクドナルドは、世界でも類を見ない独自の進化を遂げています。
ネット上では「インドのマックはポテトまでカレー味」「何を食べてもスパイスの味がする」といった噂が飛び交っていますが、それは本当なのか?
私はその真相を確かめるべく、ニューデリーのランドマークである円形広場「コンノートプレイス」にあるマクドナルドへと向かいました。カオスなパハールガンジから一歩抜け出し、近代的なビルが立ち並ぶエリアで見つけた「M」の看板。そこで待ち受けていた、意外な結果をレポートします。
ニューデリーの心臓部「コンノートプレイス」のマクドナルドへ
コンノートプレイス(CP)は、白い柱が並ぶコロニアル様式の建物が円状に広がる、デリ屈指のショッピングエリアです。
- 現地の雰囲気: 街角の屋台とは一線を画す、清潔で冷房の効いた店内。入り口にはガードマンが立ち、荷物検査があるのも「インドのマック」ならではの光景です。
- 客層: 地元の大学生グループや、ビジネスマン、そして私のようなバックパッカー。ここは、インドの喧騒から逃れて一息つける「聖域」のような場所でした。
朝マックをオーダー:見た目は「いつもの」マクドナルド
検証のために選んだのは、日本でもお馴染みの「朝マック(Breakfast Menu)」。カウンターでマフィンとポテト、コーヒーのセットを注文しました。
- 驚きのベジタリアン表記: メニュー表には緑色(ベジ)と赤色(ノンベジ)のマークが徹底されています。もちろん、マフィンに挟まれているのはソーセージ(ポーク)ではなく、チキンか野菜のパティです。
実食検証:ポテトとマフィンに「カレー」は潜んでいるか?
いよいよ検証開始です。
- ハッシュポテトの衝撃: まずは黄金色のハッシュポテト。一口食べると……「あれ?普通だ」。スパイスの香りは一切せず、日本のマックと同じ、ジャガイモの甘みと適度な塩気。全くカレー味ではありませんでした。
- マフィンの正体: 続いて「エッグ&チーズマフィン」風のメニュー。こちらもパンはもっちり、卵はふんわり。ケチャップの味がするわけでもなく、至ってスタンダードな味わいです。
日本と変わらぬサクサク感。塩味のみでスパイス感はゼロ。油っこすぎず、クオリティは非常に高い。
パティ自体に少しハーブの香りはするが、カレー粉のような味はしない。
この時点で一つの結論が出ました。**「インドのマックと言えど、ベースとなるサイドメニューや定番の朝食メニューは、世界標準の味を守っている」**ということです。
判明した真実:カレー味は「インド限定メニュー」に集約されていた
では、なぜ「インドのマックはカレー味」と言われるのか?その答えは、昼以降のグランドメニューや、インド独自のハンバーガーラインナップにありました。
- マックアルーティッキ(McAloo Tikki): ジャガイモと豆のパティを揚げた、インドで最もポピュラーなバーガー。これは完全に「カレーコロッケバーガー」です。
- マハラジャマック(Maharaja Mac): ビッグマックの代わりとなる、鶏肉パティを重ねた巨大バーガー。ここにはハラペーニョや特製スパイシーソースがふんだんに使われており、これぞ「インドの味」が凝縮されています。
つまり、「全部がカレー味」なのではなく、**「インド人の舌に合わせた独自メニューが、徹底的にスパイスを効かせている」**のが正解だったのです。
インドでマクドナルドに行くメリット
「せっかくインドに来たのにマック?」と思うかもしれませんが、一人旅においてマックは重要な役割を果たします。
- お腹に優しい: 屋台飯で胃が疲れた時、予測可能な「いつもの味」は救世主になります。
- Wi-Fiと電源: コンノートプレイスのような大型店舗では、ネット環境が整っていることが多く、次の旅路を調べる拠点になります。
- 衛生的なトイレ: パハールガンジ周辺では貴重な、比較的綺麗なトイレが利用できます。
まとめ:インドマックは「適度なスパイス」と「安定」の共存
今回の検証で分かったのは、インドのマクドナルドは決して「カレー一色」ではないということ。世界共通の安定したクオリティを保ちつつ、インド人のアイデンティティであるスパイスもしっかり取り入れる。
コンノートプレイスの店内でコーヒーを飲みながら、外を走るリキシャを眺める。そんな「マック越しのインド」も、乙なものでした。











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