ソースと香ばしい焦げの共演。ハジャイで食べた「フェイマス・ホーファン」の炒め麺が凄すぎた

フェイマス・ホーファン炒め麺 ストリートフード
脳に刺さる衝撃。ハジャイで出会った『一生モノ』の炒め麺

ハジャイという「タイ中華料理の聖地」への招待状

タイ南部、マレーシア国境にほど近い街、ハジャイ。ここは観光地としての顔だけでなく、東南アジア屈指の「美食の交差点」としての顔を持っています。タイ料理の繊細な酸味と辛味、中華料理の重厚な旨味、そしてマレー料理のスパイス使い。これらが絶妙に溶け合い、独自の進化を遂げた料理が街中に溢れています。

そんなハジャイに滞在中、一際異彩を放つ香りに誘われ、私はある店へと吸い寄せられました。店の名前は「フェイマス・ホーファン(フェイマス・ホファン)」。直訳すれば「有名な炒め平打ち麺」という、自信に満ち溢れた看板を掲げる炒め麺の専門店です。ハジャイ市街地の中心部、昼飯にも夜食にも最適な最高の立地。しかも激安です!

ร้านผลไม้ทิพย์น้ำจิ้มอร่อยที่สุดในสามโลก

所在地・営業時間・価格

所在地:14 1 Saneha Nusorn Rd, Hat Yai, Hat Yai District, Songkhla 90110 タイ

営業時間:AM8;30~PM8:00 (月曜日定休)

価格:全ての麺料理
   普通盛り:55THB
   卵付き:65THB
   大盛り:65THB
大盛り卵付き:75THB

常に満席、鳴り止まない鍋の音

店に近づくと、まず耳に飛び込んでくるのは「カン!カン!」と激しく刻まれる中華鍋の音。そして、視界を覆うほどの真っ白な湯気と、食欲を暴力的に刺激する「焦げた醤油」の香ばしい匂いです。

店内は決して豪華ではありません。むしろ、使い古されたプラスチックの椅子と、油で磨かれたようなテーブルが並ぶ、典型的な地元の食堂です。しかし、そこには老若男女、あらゆる世代の地元民がひしめき合い、一心不乱に麺を啜っています。この活気こそが、旨い店である何よりの証拠です。

フェイマス・ホーファン2
活気こそが旨さの証。

炎を操る「ウォック・ヘイ」の美学

厨房を覗くと、巨大なコンロから立ち上がる炎が料理人の顔を照らしています。ここで特筆すべきは、広東料理の神髄とも言える「ウォック・ヘイ(鍋の気)」です。

強烈な火力で一気に麺を焼き切ることで、表面はカリッと香ばしく、中はモチモチとした食感を残す。この数秒の勝負が、家庭では決して再現できない「プロの味」を生み出します。フェイマス・ホーファンの職人が振るう鍋からは、まるで生き物のように炎が踊り、麺に命を吹き込んでいるようでした。

Wok-Hei
一瞬の火力が生む「ウォック・ヘイ(鍋の気)」。職人の技に目を奪われる。【イメージ】

運命の一皿:福建麺(ホッケンミー)との対峙

今回、私が注文したのは看板メニューの一つ「福建麺(ホッケンミー)」です。

運ばれてきた瞬間、そのビジュアルに圧倒されました。皿の上を支配するのは、焼きそば界の王道福建麺(ホッケンミー)の存在感です。

福建麺
見てください、この濃厚なグレービーを纏ったソースは、まさに芸術品。

漆黒の正体とその味わい

中国の老抽(ラオチョウ)に近い、独特のコクを持つダークソースしており、一口運ぶと、まずガツンとやってくるのは「香ばしさ」。麺にしっかり付いた焦げ目が、濃厚なソースと合わさって、鼻から抜ける香りを何倍にも増幅させています。

「見た目は濃そうだけど、くどくないのか?」 そんな不安は、二口目で完全に消し去られました。ソースには豚肉のソースの甘みが凝縮されており、見た目以上に重層的で深いコクがあります。それでいて、後味には嫌なベタつきがなく、次の一口を急かされるような中毒性があるのです。

麺と具材の完璧な調和

使用されている麺は、コシのある中太麺。これが熱々のソースをこれでもかと抱え込み、口の中で踊ります。具材の豚肉は驚くほど柔らかく、シャキシャキとした食感を残した青菜が、濃厚な味の中で見事なアクセントになっていました。

正直に言いましょう。これまで東南アジア各地で多くのホッケンミーを食べてきましたが、これほどまでに「焼き」の香ばしさと「ソース」の深みが、高い次元で融合した一皿には出会ったことがありません。

ホッケンミー

卓上の魔法:自分だけの一皿に仕上げる

半分ほど食べ進めたところで、タイの食堂ならではの楽しみ「味変」に着手します。

フェイマス・ホーファン

私が選んだのは、「酢に漬けた青唐辛子」と「ナンプラー(魚醤)」です。これを数滴、そして唐辛子を数切れ加えるだけで、世界が一変します。濃厚だった漆黒のソースに、パッと明るい酸味と鋭い辛味が加わり、味が立体的になるのです。この「重厚さ」と「キレ」の共演こそが、ハジャイで食べる麺料理の真骨頂だと確信しました。

他の炒め麺との決定的な違い

マレーシアのクアラルンプールで食べるホッケンミーは、もっと汁気が少なく、ラードの揚げカス(チーヨウチャー)が効いたワイルドな印象です。一方で、バンコクのラドナーはより優しく、上品な甘みが特徴です。

しかし、フェイマス・ホーファンのそれは、そのどちらでもない。「力強い焦げ」と「洗練された濃厚ソース」が同居する、まさにハジャイ独自の進化系です。この店が「フェイマス」を名乗る理由は、一口食べれば誰もが納得するはずです。

あの一杯のために、またハジャイへ

食後、店を出るとハジャイの風が心地よく感じられました。口の中に残る香ばしい余韻を楽しみながら、「次はいつ来られるだろうか」と考えている自分に気づきます。

フェイマス・ホーファンの福建麺は、単なる食事ではありません。それは、ハジャイという街のエネルギーを凝縮したような、熱く、濃く、そして忘れがたい「体験」そのものです。もしあなたがタイ南部を訪れるなら、この漆黒の誘惑に身を委ねる時間を、何よりも優先して確保することをお勧めします。

Famous Hor Fun (Koay Teow in thick gravy)

コメント

タイトルとURLをコピーしました