ハノイの旧市街を歩いていると、南国の太陽はじりじりと首筋を焼き、アスファルトからは陽炎がゆらゆらと立ち上ります。バイクの排気音と商人の呼び声が入り混じる中、ふと漂ってきたのは甘くみずみずしい、果物の香り。その香りに誘われるように足を踏み入れたのが、トトゥック通り(Tô Tịch)にあるスイーツ専門店「ホアベオ(Hoa Béo)」でした。
出てきたマンゴーかき氷を一口食べた瞬間、頭の中が真っ白になりました。ひんやりとした氷の冷たさ、熟したマンゴーの甘い香り、練乳のコク。「ああ、これを食べるためにハノイに来たのかもしれない」と、そんな大げさな気持ちがこみ上げてきました。
この記事では、ハノイ旧市街のスイーツ聖地「ホアベオ」の魅力と、看板メニューのマンゴーかき氷(ホアクアザム)の美味しさを余すところなくお伝えしていきます。
ホアベオとはどんなお店?
ホアベオ(Hoa Béo)は、ハノイ旧市街の一角、トトゥック通り17番地に構えるスイーツ専門店です。正式名称は「シントー・ホアベオ(Sinh Tố Hoa Béo)」とも呼ばれ、地元のベトナム人から旅行者まで幅広く愛されています。
店内は決して広くありません。プラスチックの小椅子と小さなテーブルが所狭しと並んだ、ハノイらしいローカルな雰囲気そのものです。しかしそんな飾り気のない空間だからこそ、目の前の一杯に集中できます。
メニューはフルーツを主役にしたスイーツが中心。「ホアクアザム(Hoa Quả Dầm)」という名のフルーツかき氷が代表的なメニューで、マンゴー、ドラゴンフルーツ、スイカ、ジャックフルーツなど旬の南国フルーツが器いっぱいに盛り付けられ、上から練乳とココナッツミルクがかけられて完成します。これにクラッシュアイスが別で提供され、自分好みに混ぜながらいただくスタイルです。
マンゴーかき氷 実食レポート
メニューは壁に貼られたボードと、手元の紙を見ながら選ぶスタイル。英語表記もあるので、ベトナム語がわからなくても安心です。
今回注文したのは、お目当てのマンゴーのホアクアザム。価格は執筆時点で70,000VND(約380円)程度とリーズナブルです。注文して数分待つと、どっしりとした器に黄金色のマンゴーがたっぷりと盛られた一品が登場しました。
まずはそのままひと口。熟したマンゴーは繊維感がありながらもジューシーで、甘さの奥にほんのりとした酸味があります。これだけでも十分美味しいのですが、ここに練乳とココナッツミルクが絡み合うことで、コクと甘さの深みがぐっと増します。
次に、クラッシュアイスをひとすくいして混ぜ込んでみました。するとどうでしょう、ひんやりとした冷たさがマンゴーの甘さを引き立て、口の中でシャリシャリと弾けます。まるで高級なマンゴーシャーベットを食べているような感覚です。温度と食感のコントラストが絶妙で、スプーンが止まらなくなります。
氷を入れすぎると味が薄くなるのがホアクアザムの注意点。少しずつ加えながら、自分だけのベストバランスを見つけていくのも、このスイーツの楽しみ方のひとつです。
食べ進めるうち、器の底に溜まった練乳とマンゴーエキスが混ざったシロップが現れます。これが実はいちばん美味しいかもしれません。スプーンですくって最後の一滴まで飲み干すと、完全に完食。ハノイの暑さも忘れ、しばし幸福な時間に浸りました。
ホアベオの雰囲気と過ごし方
ホアベオの魅力は、スイーツだけではありません。店の外に並べられた小椅子に腰を下ろすと、旧市街の路地の風景が目の前に広がります。バイクが走り抜け、物売りの声が飛び交い、観光客と地元民が入り混じった、ハノイらしい賑やかな空気の中でひんやりスイーツを楽しむのは、旅の醍醐味そのものです。
混雑は夕方以降に最高潮を迎えます。地元の家族連れや若いカップル、仕事帰りのサラリーマン風の人々が次々と訪れ、プラスチック椅子がいっぱいになることも珍しくありません。観光客だけでなく地元の人々にも長年愛されている証拠です。
昼間の比較的空いている時間帯に訪れると、ゆっくりと味わいながら旧市街の雰囲気を楽しめるのでおすすめです。暑い時間帯こそ、かき氷が一番輝く瞬間でもあります。
アクセスと基本情報
ホアベオはハノイ旧市街の中心部に位置しており、旅行者が集まるホアンキエム湖からも徒歩5〜10分ほどでアクセスできます。旧市街の細い路地を歩きながら向かうこと自体が、すでに旅の一部になっています。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 店名 | ホアベオ(Hoa Béo)/ シントー・ホアベオ(Sinh Tố Hoa Béo) |
| 住所 | 17 Tô Tịch, Hàng Gai, Hoàn Kiếm, Hà Nội |
| アクセス | ホアンキエム湖から徒歩約10〜15分 |
| 営業時間 | 概ね9:00〜22:00頃(変更の可能性あり) |
| 予算目安 | 55,000〜80,000 VND(約300〜450円)程度 |
| 支払い方法 | 現金(VND)が基本 |
※営業時間・価格は変更になる場合があります。訪問前に最新情報をご確認ください。
ハノイに行ったら、ホアベオのマンゴーかき氷は必食
ハノイ旧市街のスイーツ専門店「ホアベオ」で食べたマンゴーのホアクアザムは、旅の記憶の中でも特別な輝きを放つ一品になりました。熟したマンゴーの甘い香り、練乳のまろやかなコク、クラッシュアイスのシャリシャリ感。それらが一体となって生み出す味わいは、日本ではなかなか出会えないものです。
値段はたった数百円。でも記憶に残る豊かさは、高級レストランにも引けを取りません。それがハノイのローカルスイーツの底力だと思います。
ハノイを旅するなら、ぜひホアベオへ。できれば暑い日中に、汗をかいた後に訪れてみてください。あの一口の冷たさと甘さは、きっとあなたの「ハノイで一番美味しかったもの」になるはずです。











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